ぼくが政治劇を苦手としているのか、あるいはノーランがそうなのか。
自分で罪を犯しておいて同情してくれなんて、というキティの言葉がすべてな気がするが。
パンフに載っていたプロダクション・ノートと字幕監修の橋本氏の解釈を突き合わせると、この映画にはふたつの視点、つまりオッペンハイマー(原爆を作った)とストローズ(水爆を作らせた)というふたつの視点があるということになるが、それを分けるのになぜオッペンハイマー側がカラーでストローズ側がモノクロなのかが分からない......どうしてもモノクロだと過去感が出てしまって、でも水爆の危機は過去のものではないし......
とはいえ、とりあえず本作のパンフが買うに値するものであることだけは確か。たとえばパンフによると、冒頭とか所々に挟まれるアブストラクトな映像はCGではなくて水槽にいろんなものを入れて撮影したものらしい。