健一

愛しの故郷の健一のレビュー・感想・評価

愛しの故郷(2020年製作の映画)
3.2
今年 中国映画界の年間興行収入は7月末時点で 2000億円を突破!
このペースで行けば 間違いなく今年の年間興行収入は中国が世界一になると言われています。
これはアメリカ以外の国が世界一になるのは史上初の事。
日本も10年位前まではアメリカに次いで世界2位の映画大国だったのに あっさりと抜かれてしまいました。
トランプさん、バイデンさん。どちらでもいいから早くなんとかしないと取り返しがつかない事になりますよ!

という事で この間観た「愛しの母国」の姉妹編を鑑賞。
本国(🇨🇳)公開から1年未満で日本劇場公開とは異例の速さ。
とは言え またまた期間限定公開&夜一回のみの上映。シンドイな。

今回は前作の記憶が新しい内に初日に鑑賞。さすが初日。「母国」の時はガラガラだったのに今回はほぼ満席。しかも中国人のお客さんがとても多く来館していた。

今回の姉妹編は前回のような お国が絡んだ堅苦しさが無く徹底したコメディ作。しかもとても暖かく優しい気持ちになれるコメディです。
ただ 笑いのツボ って必ずしも万国共通ではなくて 全然笑えないシーンに中国人の方々のみ大笑いしているシーンも多々あって『字幕で訳しきれない中国特有の何かで笑っているんだなぁ。』と羨ましくなる事もあって ちょい残念。

「母国」がチェン・カイコーだったのに対し 本作「故郷」は もうひとりの巨匠チャン・イーモウが製作総指揮として参加。
「母国」が7つのエピソードを盛り込んだオムニバス形式だったのに対し 本作は5つのエピソード。
上映時間も両作ともほぼ同じなので この作品のほうがより丁寧に中国の 今 を描いている。

『中国の医療体制の今』『フェイクニュースから生まれた騒動』『難病に苦しむ新時代の老後』『過疎化が進む山奥の故郷』などなど。急速に発展する中国の 痛い部分 を笑い飛ばしてるこの懐の深さ。
暮らしは決して豊かでは無いのに厳しい状況を健気に笑いながら懸命に生きている 一般市民を描いたのは 「母国」が過去だったのに対し「故郷」は現代を写し出している。
テクノロジーが進歩し 便利な世の中になろうと 本質的に人々の生活は変わらない点を まざまざと見せ付けられ、その点が我々日本人の心にも響くのは同じアジア人だからなのだと 信じたい。


2020年11月6日 公開初日
グランドシネマサンシャインscreen 2
💺111 席
客入り 感染対策取って ほぼ満席。

観終わったら もう22:30。
ラーメン🍜食べて帰りました。
拉麵が美味しい季節になりましたね!
健一

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