風来坊

ムーラン 美しき英雄の風来坊のレビュー・感想・評価

ムーラン 美しき英雄(2020年製作の映画)
2.5
男装して戦地に赴き、数々の武勲を立て弱き者を守った伝説的女性のムーラン。中国の不朽の物語を中国映画界が新たに製作した武侠映画。

「ムーラン 戦場の花」に引き続いて中国映画が自国の物語を、ディズニーのムーランに対抗して製作した作品。
「ムーラン 戦場の花」はムーランがまだ兵士として駆け出しの頃から描いていました。

本作はそれからは時間が経っており兵士として出世していて将軍の立場になっており、女性であることも認知されてる状態なのでこれまでのムーランの話しとは違う印象。
野心にトチ狂った敵の将軍の狂気さは悪役としてなかなか存在感がありました。ちょっと線が細いのは武闘派の将軍としては違和感。

本作はムーランが敵に拘束されるという今までにない展開で新しさはあるのですが、主役であるムーランの出番が少なく活躍シーンも少ないので「これをムーランの物語にする必要性ってある?」というのが常に付きまといます…。

ムーラン役の女優さんは初めて見ましたが、美しきというよりは可愛さの方が勝るかな。凛々しさはあり、日本の女優さんの井上真央さんにちょっぴり似ています。「閃光少女」という映画で注目を集めたらしいです。

自国の伝説的な物語なので真面目に描きたいという思いが強い印象。
本来は良い事なのですが、そこにこだわり過ぎて遊び心がないというか面白味に欠けますね。
ディズニーのムーランはそこら辺は関係ないので、創作の部分がより強くてそれが面白さに繋がったのだと思う。

あの溶けた鉄を撒くシーンはよく見るけどムーランではお馴染みなのかな?
もう少し派手な剣劇アクションを期待したのですが、終盤まではドラマに終始していて武侠映画として物足りない…。
クライマックスもなんであんな展開になるのか…。あれをさせたかっただけに見えるし、ムーランが自己中に見えてしまう…。

それでも多くの人数を動員した合戦シーンは迫力があります。展開は強引ですがラストバトルもまずまずの見応え。
中国武侠アクションとしてはまずまずですが、ムーランの物語としは微妙な作品でした。

まとめの一言
「ウーマンパワー」
風来坊

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