ものすごく久々に邦画を観た。
邦画の嫌いなところは「声が小さい」「早口」「滑舌が悪い」イコール「台詞が何言ってんのか全然分からない」という作品がとても多いこと。
でもこの作品は台詞がとても聞きやすかった。それだけでも好印象。
村上春樹原作の映画といえば『ノルウェイの森』で猛烈な絶望感を味わってしまったので(役者の演技とかキャスティングとか)、今作も当初は観ないつもりだった。
しかしアカデミー賞で大変注目され、国際長編映画賞を受賞しただけでなく日本映画として初めて作品賞にノミネートもされたことに加え、WOWOWで放送されていたのをうちの家族が録画していたから観ることにした、という流れ。
いろいろ偏見に満ちた予想は見事に裏切ってもらえた。面白かった。
邦画も観ないしドラマも観ないから、西島秀俊って人がどういう演技をするのかはCMくらいしか知らなかったのだけど、とてもステキな演技だったし、クライマックスでは泣かされてしまった。好印象。
主人公の妻を演じていた女優さん、どこかで観たことあるけど誰だっけ、と調べたら、霧島れいかだった。あの忌まわしき『ノルウェイの森』でレイコを演じてた人。あれはあれで原作ファンからすれば超キャスティングミスだった気がするのだけど(でも彼女は嫌いではない)。
三浦透子の演技も良かった。アカデミー賞授賞式は欠席していて、せっかくの晴れ舞台なのにもったいないと思っていたけれど、大河ドラマ(鎌倉殿の13人)の撮影とカブっちゃったのかな。あれはあれで重要な役だったもんね。
セックス始まりであーだこーだと物語が進行するのは村上春樹だから仕方ない(笑) 褒めてはいないがケナしてもいない。