パラ

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021のパラのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

スネ夫を好きになる話。
スネ夫は何でも持っている。お金持ちだし、原作の漫画には自身のことをハンサムや頭がいいと評するセリフもある。背が低いというコンプレックスはあるし、単なるナルシストと言えばそうだが、スネ夫には自信がある。
対するのび太は何にもない。運動も勉強もてんでダメ。映画の冒頭でも役立たずのあまり仲間外れにされて自信を失っている。だけどのび太は友達のために全てを投げ打つことができる。命をかけて戦うことができる。
スネ夫は戦うことをずっと怖がっている。当たり前のことだ。映画での友達(パピくん)は昨日今日知り合っただけの見ず知らずの宇宙人。いくら困っているとはいえ、そんな人のために命をかけることなどできない。俺だってそう思う。多くの人はスネ夫に共感するのではないだろうか。
だけどスネ夫はそれで終わらない。1人遅くまで戦車を改造したりとスネ夫は自分にできることをしていた。
敵の軍隊と戦うことになったとき、スネ夫は恐怖で閉じこもって癇癪を起こしてしまう。その姿は自分を情けなく思うだけでなく、いいなあと思っているようにも見える。何でも持っているはずのスネ夫が何にも持っていないのび太(と他のメンバー)の勇気を羨ましがっている。
そしてスネ夫は戦いにいく。僕だってと。命をかけて敵に突進する。スネ夫は言う。「友達を助けなきゃ」
これはのび太の勇気に憧れる物語。そしてスネ夫に自分を重ね、スネ夫に勇気付けられる物語。
恥ずかしくない自分でありたい、スネ夫がそう思わせてくれる物語。
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