ザ・ホワイトタイガーのMitsuhiroTaniのネタバレレビュー・内容・結末

　スラムドッグ$ミリオネアっぽい作品を期待して観たが、全く違った。
そして製作者は、そういう私のような奴らが観ることを狙って作ったんだろう。強烈なメッセージを投げてきた。ニワトリの檻から抜け出すのはそんなに甘くないと。
　旅や仕事で何度かインドを旅しているが、初めて訪れた30年前も今も市井の人の暮らしは変わらない(スマホくらいかな)。もちろん映画にも出てくるバンガロールのようなIT企業がたくさん進出している都市もあるが、整然としているのはゲートに囲われた中だけ。駅や市場には相変わらず人人人が欲望と共に溢れている。作中の民主主義では世界で最も人口が多い国というセリフが非常に深い。努力だけでは檻から出られないのだ。
これからは茶色と黄色というセリフを聞いて、若き主やその妻が白く見えた。