このレビューはネタバレを含みます
原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』(2013年)。
因果応報を基盤とした作劇。
殺し屋が新幹線風の電車内で殺し合う。殺されるときは自分が使った武器で殺される。
現実の新幹線ではなく、架空の電車という設定(新幹線だったら東京から京都まで一晩もかからないし、夜行運転はしてないだろう)。内装もやたら綺麗。サイバーパンク+清潔+礼儀正しいというのが日本と日本人のパブリックイメージなのか。ヤクザ表象も桜+刀+襖を出しときゃいいと思ってるようなよくある感じではある。
ブラピがセラピーを受け、頼りになる女性仲介役に会ったら涙を流す脆弱な男レディバッグ(てんとう虫)役を好演。
レモンとタンジェリン(原作では檸檬と蜜柑)のコンビの絆もよかった。
チャニング・テイタム、ライアン・レイノルズ、サンドラ・ブロック等、カメオ出演も豪華。テイタムとブロックは『ザ・ロストシティ』人脈という感じがする。同じ文脈上にあるコメディバイオレンス映画か。
原作を読み、セラピー、自分探しや気づきといったセルフヘルプ系のアメリカ文化を知っていたらもっとよく理解できたかもしれない。
因果応報をうまく用いた作劇だが、雄一が渉を3時間も一人にしていた理由だけがよく分からなかった。