ろく

バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~のろくのレビュー・感想・評価

2.0
ドラマ三作一気に観て最後にこれ持ってきたんだけど……正直言いましょう!駄作ですよ。もうなんだあのドラマのテンションはどこ行ったんだ。これじゃどうしようもない日本映画の悪弊そのままじゃないか。

この作品自体がドラマシーズン3をそのまま継承しているんだよ。シーズン3はいわば「バイプレイヤーの哀愁」というより「批判的パロディ」なのよ。それはテレビのドラマというものが持ってしまった悪弊をいひひと言いながら笑いとばし最後はどやーで持ってくるという見事なものなの。でもそこで一番大切なものは「批判性」。そう、ドラマは見事に俯瞰に観て批判を笑いで提供しているの。

でも翻ってこの映画。映画は何がまずいか。低予算か脚本かスポンサーか俳優か。それが全く書かれてないんだよ。監督の松井が「映画ってほんとにいいものなんですよね」って語りかけるの。淀川長治か!俯瞰の目も何もなくあるのはただひたすらの「だって大好きだもーん」ああ、それで納得するかってーの。そんなポンコツな愛を見せられてもこっちはドン引くだけなんですよ。

とにかく脚本がダメなんだよ。この話でも映画を撮ることになるんだけど映画内映画が宮沢賢治なの。宮沢賢治ってこれは教育映画かよって突っ込みたくなってしまった。もっともっと無茶苦茶にしてほしかったのに。ドラマの時は半沢直樹パロの「大合併」もGTOパロの「CTO」も、ドクターXパロもあなたの番ですパロもどれも観たくなるような感じなの。でもこの映画内映画の宮沢賢治銀河鉄道は見たくないんだよ。見るからにつまらなそうなんだよ。なんでこんなこっ恥ずかしい脚本にした。バイプレイヤーズには責任はない。あるのはみんな松井だよ!

というわけで大不満なんだけど俳優陣はとっても素敵。っていうかこんな素敵な俳優が集まっているのにこの程度の脚本しか書けないのが一番悪い。

ああ、ドラマは三作とも見事だったのに~。
ろく

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