副題のまんまだけど、
もしも日本を代表する名脇役100人で映画を作ったら…。
脇役?とんでもない!
主演クラスの方々も少し出ています。
富士山の麓、のどかな撮影所バイプレウッドにて、各局のドラマや映画の製作が行われている。とある配信ドラマを撮影中の田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、そして有村架純。彼らは、濱田岳、柄本時生ら若手俳優による自主映画製作に協力する事になり—— 。
ドラマは未見。
3シーズンに渡り放映されたというのだから、人気シリーズなのは間違いない。
だが…。
ちょっと酷評になるので、シリーズをお好きな方はご勘弁を。
身も蓋もない言い方にはなるが、こちらの映画…個人的には、テレビシリーズの延長という印象。
単純に脚本がつまらない。
犬の風(ふう)が逃げ出したっていう話…。せっかくの映画化で、総勢100人もの俳優達がいるのに、犬の話!?
そして100人の俳優達も、当然出番は短く、台詞も少ない。演技が上手い云々の鑑賞法ではなく、単純に出てくるあの人この人を「わー!」とか「きゃー!」というミーハーな目線でしか楽しめない。
いや、そういう楽しみ方の作品なら、それはそれで良いのだが。
およそ深夜枠でやっていたノリをそのまま大スクリーンでやられても、クスリと笑う事はあっても、結構スベッていた印象。
濱田岳くんの性格が悪くてイライラする。ほぼ全ての役者達が本人役として出ているのだから、つい「この人ってこういう一面があるのか」という目線で観てしまう。当然作品としては適度な虚構やパロディを織り交ぜている筈と頭では理解しているけれど。彼だけが損な役回りを引いている気がする。
シーズン2の途中で急逝した大杉漣さん。
そんな彼の追悼の意を込めたラストシーンは良かった。大杉の最期には、田口・松重・光石・遠藤らも立ち会っていたとの事。そんな事を想うと、やはり大切な主演の1人を亡くしてしまったという、この作品の大きな悲しみを共感する事は出来た。
でも!!
でも!!
せっかくこれだけの俳優を集めたんだから、別の脚本で撮り直したらどう!?と思わずにはいられない。