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裏ゾッキのmumbleboyのレビュー・感想・評価

裏ゾッキ(2021年製作の映画)
3.6
「ゾッキ」を観た後にはやはりこれを観たくなりますよね。まあ「ゾッキ」の監督が竹中直人、山田孝之、斎藤工というスター達だったのに本人達は出演していなかったので彼らも見たいというかなりミーハーな理由から観た買ったのかも知れません。

「ゾッキ」の方はそこまでハマりませんでしたが、こんなこと言うと製作陣は悲しむだろうけど今作の方が面白かったかも知れません。まあ特に撮影の舞台となった愛知県蒲郡市の方々の情熱と製作陣達との友情というかその辺が感動的でした。ただ蒲郡市の方々が町おこしとしてこの映画を迎え入れたのですが果たしてこの映画はそういうタイプの映画だったのだろうかとは思いました。例えば「フラガール」の様に本当に感動的な作品だったら映画を観た人がその感動の追体験で現地に聖地巡礼をしに訪れるという効果があると思いますがこの映画はそういう感動的で万人受けする作品ではないと思うのでよっぽどのマニアでないと聖地巡礼には繋がらないかなと思いました。でも蒲郡市の人たちは監督陣のスター性もあってこの映画がこの街に幸運を運ぶと信じて一生懸命になっていたのがなんとも純粋というか素敵だなと思いました。完成した作品を観てなんじゃこりゃっていう感想があったのではとも思いますがさすがにそういう意見は今作では聞けませんでした。今作とは別に全くしがらみなくこの「ゾッキ」という映画が蒲郡市にどういった経済効果をもたらしたのか、もたらさなかったのか、作品を観て本当はどう思ったのかなどを包み隠さず伝える別なドキュメンタリーとかあったらそれも面白そうだなって思います。

このプロジェクトに携わった全ての人たちが皆強い思いがあってベストを尽くしたのかなと思いますが監督達が専業監督ではなくスター俳優なだけにこの作品に費やせる時間と労力に限界があったのも現実かなと思います。このドキュメンタリーはこのとても変な映画を特殊な場所で撮影したという事で大予算で全てがスムースに行く現場には面白みが沢山あったかなと思います。作品自体は期待値を超えてはこなかったかも知れないけどそこに携わった人々が本当に愛情を込めて作ってたという記録としてはすごく素敵だなと思いました。何だろう大人の学園祭みたいな雰囲気とでもいう感じでしょうか。
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