百想芸術大賞2021で大賞を獲って
気になっていた作品
最初はなんか難しげなお話かしら？
と思いながらも観進めるうちに
笑いもあり涙もあり温かい物語で
学びについて深く考える映画だった
そして階級制度の中で生きる人々の
苦しみや屈辱や行き場のない怒りも
ちゃんと描かれていて
何処の国もこんなだったんだと改めて思う
キリスト教信仰の排除で島流しになった
天才学者のチョン・ヤクチョンと
黒山島で出会った勉強熱心な漁師の青年
チャンデの子弟関係のような交流が
モノクロの美しい映像で繰り広げられ
ヤクチョンはチャンデから魚について学び
反抗的だったチャンデも更に学問の世界を
広げるためにヤクチョンから書物を学び
2人のやりとりは最初笑ってしまうのだけど
互いに極めたい者同士の絆が素晴らしかった
イ・ジョンウン演じるカゴさんがまた良くて
流刑の身のヤクチョンを嫌な顔ひとつせず
迎え入れてくれる懐の深さにホッとする
ジョンウンさん、こういう役ピッタリ！
チャンデは目指していた両班になるため
最終的にヤクチョンから離れてしまうけど
国の現実を知って諦めてしまうのではなく
国を変えようともっと頑張ってほしかった
そんなのは理想であって
難しいのは重々承知だけれども
評価が高いのも頷ける良作だった
