健一

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイの健一のレビュー・感想・評価

3.5
原題 も 邦題 も。
「ザ・ユナイテッド・ステイツvsビリー・ホリデイ」。
そうそう!それでいいんですよ!
もう お願いだから外国作品に変な邦題付けるのやめてくださいね!😅

昨年 ダニエル・カルーヤがアカデミー助演男優賞を受賞したにもかかわらず 劇場未公開でDVDスルーに終わってしまった「ユダ&ブラック・メシア」のように本作も「ユダ〜」と同じ道を辿るのだと思っていたが、一年以上経ってまさかの劇場公開!
配給会社のGAGAさん!ありがとうございました😊。

本作に主演したアンドラ・デイはこの作品がデビュー作。
歌手であり演技未経験の彼女は本作でいきなりゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞。アカデミー賞にもノミネートされ未来の大スターを予感させる好スタートを切った。
初めてとは思えないそのパワフルな演技。
歌手なので 歌がうまい のは当然なのだがそれでも圧巻のステージパフォーマンス!
アカデミー賞も彼女にあげてもよかったのかもしれないですよ。😃

第二次大戦直後の40年代後半に絶大な人気を誇っていた伝説の黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリデイ。
地位、名声、人種差別、愛、裏切り、ドラッグ。
そして 禁じられた歌『奇妙な果実』。
彼女の壮絶な半生を重量感たっぷりに描いた『アメリカ合衆国との対決』の実話。

正直、この作品を知るまでビリー・ホリデイも 演じたアンドラ・デイも知らなかった。
ビリー・ホリデイが劇中で歌う「オール・オン・ミー」は何となく昔 耳にした事がある くらい。
公民権運動や人種差別が渦巻くあの時代にこんなに勇気ある黒人ジャズシンガーがいたなんて。
非常に悲しい結末を迎えてしまうのですが、彼女の魂の歌声はいつまでもアメリカの人達の心の支えになっているのでしょうね。
監督のリー・ダニエルズは「プレシャス」や「大統領の執事の涙」などでアフリカ系アメリカ人の人々の過酷な人生や魂の叫びを描いて来た人。
本作でも彼等の過酷な時代、アメリカの闇に鋭く踏み込んでいて、現在 人種による対立、差別がいまだに根強く残っているアメリカ国民をはじめ世界中の人々にメッセージを送ってくれている。

正直 普段あまりジャズは聴かないのだが、彼女の歌声には大いに魅了されてしまった。

最後に
ビリー・ホリデイの付き人(?)を演じていた眼帯を付けた 恰幅のいい女性。
あの役は監督の過去作「プレシャス」で主演していたガボレイ・シディベに演じてほしかったかな。😅


2022年 2月15日 9:00〜
グランドシネマサンシャインscreen 2
💺111席
客入り 私を含め8人。

春はまだか。鑑賞後、出社🚶‍♂️。
健一

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