ヒデ

マサラチャイのヒデのレビュー・感想・評価

マサラチャイ(2017年製作の映画)
3.8
「僕が作るチャイはすべての人に平等だ。俳優が飲む。労働者も飲む。カメラマンも飲む。監督も飲む。それは神の恵みと似ている」

チャイを通してインドの現状とカーストを伝えるドキュメンタリー。

40年間映画制作スタッフのチャイワラを務めたおじいさん、結婚制度に不満を持つ女性、子供と一緒に1杯10ルピーでチャイを売り続ける男性、子のために夢を諦めた母、アメリカに10年行ってインドでカフェを開いた男性…。それぞれの生活(主に生計の立て方と家族の話)を映すことを通して、インドで生きることの厳しさを伝える。

インドはかなり独特な文化だけど、みんながみんなカースト制度や女性蔑視に納得しているわけではないのを見て、少し安心した。男の子が結婚に対して、「(花嫁が)持参金を受け渡す習慣は罪だと思う。大きな罪だ」と言っていたのが特に印象的。

最後の「登場人物たちのその後」が一番エグくてビックリした。


以下、セリフメモ。


「チャイはある意味ご褒美みたいなもので、幸せな気分にさせてくれる」

「人々は夏場にたくさんお茶を飲む。チャイを飲むと水分補給になる。だから人々は特に夏にチャイを飲む。熱は熱をやっつける。覚えておいて」

「女性はどんな分野にしても問題に遭う。市場にいても、大半の男性は性的な目的で接してくる」

「5ルピーのチャイもあれば、1000ルピーのお茶もある。高級茶の味は僕らのものとは比べ物にならない」

「インドの70%の人はまだ村に住んでいる。そしてチャイを飲んでいる。他のお茶を飲むほど、まだ洗練されていないんだ」

「多分ダージリンに住んでいる人はダージリンティーが好きじゃないと思う。ずーっと収穫し続けてるから」

「この業界は素晴らしい。宗教もカーストもない。みんな兄弟なんだ。映画業界は愛と全てを得られる場所」

「お姉ちゃんは結婚するの不安じゃないの?義理の家族が優しくしてくれると思う?」

「持参金を渡すってことは花婿を買うってことでしょ?それが結婚?」

「結婚式の後は大変だった。自分よりカーストの低い男性と結婚したから、両親は2ヶ月半も口を聞いてくれなかった」

「イスラム教徒にもカーストはある。美容師や皿洗いなんかもその一つだ。イスラム教徒には10から12のカーストがある」

「自分も未来を見据えているし、すぐに結婚はしたくない。ここから離れることも夢見ていた」

「自国の発展など考えたりしない。みんな自分のことで精一杯なんだ」
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