ど

ミラ: ガール・オン・ザ・トレインのどのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ制作のほうを観てるつもりだったのだが、こちらのリメイクのほうを観ていた。ボリウッド特有の歌やダンスには大分戸惑ったが、本来ならある程度時間を割かなければならない登場人物の境遇説明などを歌などで済ませてしまうのはなかなか効率的でいいのではないかと思った。
タイトルとあらすじから舞台はほぼ車内なのかと思いきや、なかなか電車に乗らない上に、主人公が幸せの絶頂から転落する様をここまで細かに表現する必要はあるのかと思ったものの、中盤以降になって序盤の必要性にようやく気がついた。
主人公が担当した事件や、買い物の帰りにつけてきた謎の車、裁判結果の腹いせに突っ込んできた車に、主人公の夫の嘘など、伏線の張り方が非常に丁寧だと感じた。また殺人自然の担当刑事がターバンを巻いた女性なのも、多様性やポリコレの一環だと思い、特に気にしなかったが、まさか序盤で退場したギャング?の娘だとは思わなかったのでここでまた驚かされた。しかし、そんな反社会的な人物の娘が刑事あるいは警察になれるものなのだろうかと思いつつ、そこを突っ込むのは野暮だろう。この刑事が最後まで黒幕だと思わなかったのも、この刑事が正義感が強い人物であることがそれとなく描写されており、主人公を犯人として責めるシーンもそんなに違和感がなかったので、そういった登場人物の動かし方もスマートで上手いと感じた。
序盤はなんの感慨もなくぼんやり観てしまったので、今度は伏線に気をつけながら2回目も鑑賞したいと思った。
また似たようなストーリーの作品として『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』や『窓辺の女の向かいの家の女の』などもこれまで鑑賞してきたが、主人公の女性が幸せの絶頂からなんらかの不幸で転落し、アルコール依存症と記憶障害を患い、その間に起きた事件の記憶を取り戻していくという大筋は同じで、主人公の立ち直り方や、記憶の取り戻し方が見どころとなっていくと思うのだが、やはり記憶障害を煩わせる手軽な方法はアルコールしかないのだろうかとふと思った。
ど