ナツミオ

あいつと私のナツミオのレビュー・感想・評価

あいつと私(1961年製作の映画)
3.7
NHK-BSPプレミアムシネマ
録画鑑賞

若き裕次郎と芦川いづみ主演の青春映画の傑作。

石坂洋次郎の人気小説『あいつと私』の映画化。(代表作『青い山脈』、『若い人』)

1961年日活・カラー作品
監督・脚本(共同) 中平康
脚本 池田一朗
音楽 黛敏郎
主題歌 石原裕次郎『あいつと私』
出演 石原裕次郎 芦川いづみ 小沢昭一 吉永小百合 吉行和子 酒井和歌子

都内の大学に通う黒川三郎(裕次郎)と浅田けい子(芦川)は同級生。
特殊な家庭環境で育ち出生の秘密も抱えるニヒルな黒川と平凡な一般家庭で育ったけい子。
「あいつ(黒川)と私(けい子)」の2人を軸に、当時の学生生活、性、友人、愛情、家族との関係が「私」視点で描かれる青春群像劇。
’60年安保闘争の時代背景も登場、
作品自体は重くなく全体に明るく軽いタッチで描かれているので観やすい。
“あいつ”と"私“との関係も色々なイベントを通じて徐々に深まっていく描写も楽しい。

オーラ輝く、裕次郎のスマートな大学生役もさることながら、芦川いづみの清楚だが、思った事が口に出てしまうキャラも可愛く、少しづつ三郎に惹かれていく、けい子の心の声(ナレーション)の移り変わりも楽しい。

終盤の三郎と実父との腕相撲対決もハラハラ。

当時、日活女優の二枚看板だった芦川いづみが輝いている。(もう1人は後の裕次郎夫人となる北原三枝)、芦川は後の藤竜也夫人、1968年結婚後女優引退。

浅田けい子の家族に妹役の吉永小百合、酒井和歌子が高校生、中学生役で2人共若い!
吉永小百合は高校生役でも既に輝きが凄い!

本作のヒットと人気の原作の為、この後映画リメイク版1本(1976年)、ドラマ版は3本(1963年,1967年,1986年)製作される。

オープニングの洒落たイラストのキャラが某国産ウィスキーCMキャラ"アンクルトリス”のタッチと良く似ている。トリスおじさんの作者は柳原良平氏。調べたけど不明。

時代背景が変わっても普遍的な青春映画としての名作。
楽しんで観ました!
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