鰹よろし

奪還 ―ホステージ―の鰹よろしのレビュー・感想・評価

奪還 ―ホステージ―(2018年製作の映画)
1.5
 アフリカ東部のとある戦乱国家において、PKFの中国歩兵大隊がテロリストを殲滅すべく奮闘する...

 「異国の地においておよそ関わりの無い人々のためになぜ命を懸けるのか?」というのが主題(建前)だと思われるが、PKO・PKFという彼らの活動意義を、何をおいても【中国=絶対正義】を起点に説こうとしているがために、舞台となる戦乱国家の状勢やテロ組織の目的及び背景が置き去りにされてしまっているのが致命的。

 それ故に明らかにおかしな言動を魅せる人物が際立ってしまっているし、中国人が掲げる愛と現地人にもあるはずの愛を別世界のものとして、全くの別モノとして扱っているので、その黒幕の動機も活きてこない(活かす気が無い)。

 絶対正義なり正当化なりはどこの国でもどこの誰でもやってることなので別段構わないしそれ自体を否定する気はサラサラ無いのだが、その感情ばかりをひけらかされてしまうと、最初から最後まで善悪や対立の構図に変化が無く、こちらに考える余地を与えてくれないので面白味が無い。

 一人っ子の件は中国ならではに来るモノがあるのだろう、しかしお説教やお涙頂戴の方面にマメなところをもう少し別の方面へと向けてほしかった。


「ハート・ロッカー」(2008)...「S.W.A.T. ユニット887」(2015)...「S.W.A.T.」(2019)...
鰹よろし

鰹よろし