被害者の母親は息子が生きていたことで何かが変わっていないと人生の価値がなくなってしまうと考えていたが、加害者の両親に対して、息子との思い出話を初めて赤裸々にしたことで、生まれてきてくれただけでも愛おしく素晴らしく価値のある人生を歩めていたと思えるラストの心情の変化の過程に私も感情を揺さぶられた。
4人の感情の昂りとともにカメラも固定から手動に切り替わり、被害者の父親が息子の死を改めて振り返ると暗転し画面の上下が狭まるなど、演出でも緊張感を生み出し観客の私もますます引き込まれていった。
子育てにおいて何が悪い影響へのトリガーとなるかわからないし、後悔することもたくさんあるかもしれない。ただ今は抱きしめてあげたい。
