このレビューはネタバレを含みます
男目線ならサイコホラーなサスペンス。女目線なら痛快コメディの復讐劇。
夫の不倫に気づいた漫画家の妻が、新作漫画で夫の不倫現場をリアルに描き、自分の不倫も描いていく今作、何を考えているのか分からない黒木華の無表情が怖い。
1話、2話とリアルな描写が続き、教習所の映像に手書きの文字「3話」が入った時、どこまでが嘘か本音か分からなくなる。そしてFAXで1枚ずつ出てくる4話のネーム…これは怖い。女性が観ると「ざまあみろ」だろね。実写と漫画で妻を描く事によって、妄想のフィクションと復讐のノンフィクションが交錯する演出は面白い。ただ、登場人物の言動がよう分からん。
夫、俊夫。自分の事は棚に上げて嫉妬するのはどうなのよと思ったが、焦りまくる柄本佑の表情が良かった。教習所の先生にお茶を出す時、ガチャッと大きな音を立てて雑に置くシーンは笑った。あの日あの時あの場所で訊いた妻の質問は二度と訪れず、その「瞬間」をミスれば時すでに遅し。嘘をつくならバレずに墓場まで持っていけ、バレる嘘ならはじめからつくな、だね。
妻、佐和子。自動車教習所に通い始めたり、突然消えたり、怪我した母さんほったらかし。教習所の先生と帰ってきたかと思えば2階で漫画の続きを描き、連れてきた先生ほったらかし。
担当編集者。実家まで来るってどうなん。
母さん。娘を止めろ。
二転三転する展開は楽しめた。なるほど、こういう終わり方かと思いきや、最後の最後でそうきたか!復讐のネームに贖罪のペン入れ…自業自得だが、これはキツイ。