nt708

エンドロールのつづきのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

正直そう来たかと…サイレントがトーキーになったように、フィルムがデジタルに切り替わったタイミングもあるわけで…その切なさを描いている点ではかなりユニークな映画な気もする。

ここ数年、映写はデジタルになっても撮影はフィルムで行う流れがまた出始めていて、あのデジタルでは出せない雑音が作品によってはマッチしていたりする。どちらが良いとか悪いとかではなく、最終的には作品の性質によって手法は選ばれるべきというのが私の姿勢だから、選択肢が増えたという意味では歓迎されるべき流れだろう。

しかし、それはあくまでも手法の話。つまり、どの手法を選択し使うのかは生身の人間に委ねられているし、映画の根幹である脚本(物語)はどれだけ技術が発達しても、人間の頭と手によってしか生み出すことができない。小手先の表現に走るのではなく、まずは面白い物語を。

こうやって小さい頃から映画に慣れ親しんで、これからも映画を作り続ける人、見続ける人がたくさん現れて欲しいものである。

ところどころに見られるオマージュは、何だか微笑ましくて笑ってしまったし、お母さんの作るご飯はどれも美味しそう。本筋には直接関係のないところの遊び心が個人的にツボだった。
nt708

nt708