Tetsu

コーダ あいのうたのTetsuのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

まだ一月なのに今年一の映画を観てしまったなという感じ。
いつまでも娘をベイビー扱いする母、逆に娘を大人と見做し頼りすぎてしまう父、熱くて不器用なクソ兄貴、それぞれの愛の形があって素敵だ。
良いキャラクターだけど、全員が良い人間じゃないところもリアルで好き。

無音になるあの演出は映画館ならではだった。あの瞬間、あの家族と同じ感覚を味わうことができる圧巻の演出。自分の娘が主役として舞台に立っていて、周りの人達がそれに酔いしれ称賛しているのに何も感じ取れない悲しみ苦しみが伝わってきた。耳が聞こえなくても自分の娘の夢は応援してやれないか、なんて思った自分が馬鹿だったことが思い知らされた気がした。聾唖者にとって音楽がどういうものかなんて通常わかりやしないんだ…。だからこそ、そのあとお父さんが声の響きを手で感じ、娘の才能を理解したシーン、オーディションで手話を交えながら歌うシーンはグッときた。家族に彼女の夢が伝わった、才能が伝わった、想いが伝わったシーンだと思う。
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