よしおスタンダード

スリランカの愛と別れのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

スリランカの愛と別れ(1976年製作の映画)
3.0
No.3819

異色のバイオレンス映画『死闘の伝説』を撮ったのと同じ監督とは思えない、「幅の広い名匠」木下恵介。

こちらは一転して、スリランカを舞台にした群像メロドラマ。

周りの人たちの話をじっくり聞きながら、自分の人生についても考えを巡らせて行く北大路欣也の静かな演技が素晴らしい。

そして、ある意味ではこの映画の裏主役、大事なカギともいうべき、「大砲の下で眠る少年」の笑顔がとにかく愛らしい。

一方で、この少年の兄の方は、日本人には笑顔を見せず、最後まで距離を取る。

なんだか悲しげで切ない。