みきわめとおる

ムーンライト・シャドウのみきわめとおるのレビュー・感想・評価

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)
3.1
ムーンライトシャドウは、吉本ばななの初の単行本「キッチン」に掲載された短編小説だ。
福武書店(現在のベネッセコーポレーション)にとって、万年赤字の出版部門は会社のお荷物とみなされ、河出書房から来られた、出版部門事業部長・寺田博さんは辛い日々を送っていた。

ある日、海燕文学新人賞にペンネーム、吉本ばななというまだ22歳の大学 4年生が応募してきた。
寺田さんは、珍しい名前だなと思い一読すると荒削りだが、その透明な文体と孤独な中に指し示される灯りに大いなる感銘を受けた。

そして、ある日父親である「共同幻想論」で知られる知の巨人、吉本隆明が友人である
寺田さんに電話してきた。

「なんか、うちの次女がおたくの文学賞に応募したようだよ。拙いもんだが、まあ読んでやってよ。」と。

そこから、寺田さんと吉本ばななの2人3脚での作業が入り、くる日もくる日も喫茶店での推敲と修正の日々が始まった。

1988年1月30日、吉本ばなな初めての単行本、「キッチン」(ムーンライトシャドウ併載)はこうして世に出た。

福武書店の最も売れた、文学の単行本「キッチン」
その映画化が決まり、森田芳光監督作品として世に出たのが、1989年。
福武書店の社員として、寺田博さんから試写会に呼んでいただき、最後あたりで「キッチン」(福武書店 刊)と出たあの日の感動を
忘れることはない。

で、このムーンライトシャドウの感想は?
それはちょっとゴメンなさいね。