はぐれ

夢の涯てまでも  ディレクターズカット版のはぐれのレビュー・感想・評価

3.9
デビュー以来ロードムービーを撮り続けてきたヴィム・ヴェンダースの集大成的な作品であり90年代の特有のテーマであった終末論をヴェンダース流に調理した5時間もの大河ドラマ。

日本パートにはなんと笠智衆が出演していて怪しげな薬売りをさせられているからもう爆笑もの😂いや、渋谷の待ち合わせにこどもの城前を選ぶなよ😂😂あれだけ小津安二郎を敬愛している巨匠なのにやはり日本を描くとなると違和感しかないのはなぜなんだろう?カプセルホテルでのゴタゴタ劇はこの長時間の映画の笑いのピークww

また中盤に核の脅威から逃れる為に主人公達が訪れたシェルターがアトラクションのスプラッシュマウンテンにしか見えなくてここも大変に香ばしい😂いや悲壮感ゼロだしむしろ修学旅行じゃんってw

それでも5時間弱もの時間を飽きさせずに見せるヴェンダースのサービス精神には舌を巻く。終盤の夢を見る装置を巡る物語はロードムービーにおけるある種の到達点。居場所を亡くし世界各地を彷徨い歩いてきた大戦の敗戦国の民がようやく見つけた安住の地が不確かで不安定な夢の中というのがなんとも皮肉。
マックス・フォン・シドーが現れてからの全く違う映画始まってしまうんじゃないかと思ってしまうあのワクワク感は異常。長時間の長旅を耐え抜いた者のみが味わえるご褒美だよね😇
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