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OSLO / オスロのsnatchのレビュー・感想・評価

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)
3.7
昨年10月7日ハマスがイスラエルの人々を奇襲し続いてイスラエルの報復が始まった時、私は心の奥底の方で、もう殺戮しあえば…と思った自分がいました

1993年のクリントン大統領を挟んでアラファト議長とイスラエルのラビン首相が並び握手する映像は何度か見たが、この作品はこの場面に至るまでの困難な和平交渉への道を教えてくれる。主人公は勿論クリントンではない!
極秘に両国を仲介したのはノルウェーの外交官モナと社会学者の夫。この夫婦は交渉の場で司会進行はせず徹底してホストを努める
ルールは両者のみで話し合ってもらうこと
形式ばった会議室の中ではなく、半民のような形で美味しい手作り料理とデザート、緑と川に囲まれたノルウェーの郊外の静かな屋敷で両者をもてなす
両者とも何度も決裂だ!と席を立つのだが、自分たちが断崖に立っている事を自覚し渋々また腰を下ろす
このオスロ合意の時を思い出そうという映画なんだなと思ったら、製作にスピルバーグの名前もあった。今、スピルバーグはどんな事を思っているのだろう

アンケートを取りたい、両国の人に
自分の家族が殺されたら、相手を殺しますか
自分が相手を殺したら、自分も相手の家族から殺されてもいいですか
モナが言う
あなた方の紛争に世界は無関心になった
両国はどうせ何も変わらない
誰も助けに来ない

この両国が変わらない限り終わりは見えないんだと思った
パレスチナ解放機構PLOの財務大臣が興奮して無作法な振る舞いをしてしまった時の償いとして、イスラエルの若い高官に向かい「少し一緒に歩きませんか」という行為が印象的だった
イスラエルの人々も1人1人の考えにも微妙な違いがあるはずだが周囲と同調しなくてはという空気もあるのだろうなと思った

ちょっと勉強不足もあり2回観ました
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