鍋山和弥

必殺仕掛人 春雪仕掛針の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

必殺仕掛人 春雪仕掛針(1974年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ3作目。シリーズ物って、作られれば、作られる程、深い話になる傾向に、ありますね。前作が、かなり、勧善懲悪傾向だったが、今作は、深い。ターゲットの、1人、『オチヨ』。作中の、登場人物達は、『梅安』を除き、みんな、悪女だと、決めてかかる。だが、果たして、本当に、そうなのか?『オチヨ』は、9年前、『梅安』に出会い、男を知った。『梅安』となら、所帯が、持てると思った。だが、その頃から、『梅安』は、『仕掛人』稼業に、手を染めていた。だから、『オチヨ』を、捨てた。『梅安』には、分かっているはず、『仕掛人』稼業に、手を染めていたのは、言い訳だと。それを、言い訳に、『オチヨ』を、捨てたのだと。『梅安』は、最終的に、『オチヨ』を、殺した。自分が、原因で、悪女に、変えてしまったのだから、自分の手で、始末をつけた。悪女『オチヨ』は、悪女に、なっただけで、悪人じゃなかった。始末は、つけたが、その事は、『梅安』の胸に、深く刺さった。また、その他の、ターゲットとして、『ミクラ』が、いた。彼は、流れ働きに、手を染めたが、昔、『梅安』が、殺した女の、夫だった。もちろん、『世のために、ならない人を、殺した』のだが、『ミクラ』は、『梅安』に、怨みを抱きながら、流れ働きに手を染めた。『ミクラ』の、そんな、怨みの剣に、『梅安』は、心の底から、怯えた。『オチヨ』と『ミクラ』を、悪人に変えたのは、『梅安』。今作は、勧善懲悪ではない、味わい深い作品だ。『世のために、ならない者を、殺す稼業たって、キレイ事じゃない。善人だって、悪人に、変わるのだ。
鍋山和弥

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