勇斗

場所はいつも旅先だったの勇斗のレビュー・感想・評価

場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)
4.1
素敵な作品に出会えたと思う。

いや、事実出会ったのはもっと昔だった。

旅に関する話、朗読の担当は敬愛する小林賢太郎ということもあり、上映前から期待値は高かった。
逐一予告をチェックし、公式のXアカウント(当時Twitter)もフォローした。

都度投稿される予告に心を躍らせていたのを覚えている。

そんな中、2021年7月、小林賢太郎が、過去の不適切な発言を掘り返され、主導的な役割を担ってきたパラリンピックの演出を解任される事件が生じた。
ネット上では、炎上していた。

ちょうどその頃、予告記事のクレジットからは、小林健太郎の名前だけが、綺麗に消えてしまった。それまでは、広告塔の一つとして大々と載っていたにもかかわらず。

今考えれば、大人の対応として当然なのだけれど、当時の私は、保身、営利のための姑息な掌返しだと、一人憤っていたのを覚えている。
結局観るのは辞めてしまった。


あれから時間が経ち、私もバックパッカーとして世界一周を経験した。
今なら純粋に作品を楽しめるだろうかと考え、遅ればせながら鑑賞してみた。

素敵な作品に出会えたと思う。

映像美もさることながら、人の営みと、温かさが確実にこちらに伝わってくる。

松浦弥太郎の言葉一つ一つも、素直に心に沁み入ってくる。

それを支えているのは、他ならぬ小林賢太郎のナレーションであるはずだと思う。
勇斗

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