2023_094
圧倒的に魅力的で刺激的で感動的
女とパリと、そして男。
好きですね。モノクロで描かれたパリは昼も夜も美しく、セックスシーンも絵画的というか、いやらしさがなく、こちらも美しい。
俳優陣が素晴らしく、特にエミリーを演じたルーシー・チャンの危なっしい魅力にやられてしまいました。
愛ってなんだろう?と恋愛系の映画を観るといつも考えてしまう。本作はストレートにセックスと愛、または恋愛について語っている。そのストレートさは若干定型文っぽく感じる部分はあるが、身体がある以上セックスによって湧く情みたいなものは確かにある。
本作はそれだけではなく、祖母への愛やチャットを通じて重ねたやり取りから生まれる愛も描く。あのキスシーンの美しさには思いがけず落涙してしまった。この辺りはセリーヌ・シアマ脚本を感じた。
『愛は祈りだ。僕は祈る』私の大好きな小説の書き出し。愛ほどややこしいものはない。
愛について考えたいあなたにオススメしたい作品です。