YukiBan

名探偵コナン ベイカー街の亡霊のYukiBanのレビュー・感想・評価

4.7
2回目。小学生の頃にテレビで観た時の感動が色褪せることなく味わえた。
無駄なシーンやキャラの心情や行動に不自然な点が一切ない。

アクションもふつうの人間ができる動きの範囲なのと、博士のひみつ道具が無効化される世界なので、コナンの謎解きの様に特化して楽しめる。

実家が太い家の子たちのみ参加できるバーチャルリアリティゲームを、彼らが1人でもクリアできなかったら脳に電磁波を流して殺される狂気設定の裏には、親の敷いたレールに沿うのではなく他の人とも協力して自分で考えて生きてほしいノアズアークとひろきくんの想いに感動するし、実際ゲーム後にいけすかないお坊ちゃまたちが成長してよかったな〜となった。

この頃は蘭ねえちゃんがコナンくんを新一だと疑うシーンがちょいちょいあるのね。「なんで小さくなってそのことを隠してるの?それとも私の思い込みで新一は遠くにいっちゃったの?」といった哀愁を蘭ねえちゃんがまとっていて切ない。
灰原さんのコナンくんへの想いは意味深にさらりと描かれる程度だ。

新一のお父さんかっこえ〜。コナンくんとは他人の設定だからパブリックな場で、新一とお父さんが言葉なしで見つめ合って意思疎通するのかっこよすぎる。言葉を交わしても短く。お互いを認め合ってる感じいいですね〜。

ゲーム世界は5つのステージを選べて、そのうちのオールドタイム・ロンドンは新一のお父さんが監修し、阿笠博士もゲームの開発に携わったという設定がすごく自然。だからゲーム外からの手助けを彼らがコナンくんたちに行ったり、状況説明したりするのもとても自然。
蘭ねえちゃんが新一からホームズの話ばかり聞かされてたから、ゲームの中でマニアックなワードを連発するコナンくんを周りに説明するのも自然。そして新一の説明をそこまで覚えてるのかと切なくもなる。

ノアズアークは日本をリセットするという目的を持っていたが、それはフェイクであり、先述した子どもたちが人と協力する大切さを学んでほしいことと、仕事ばかりで11歳で自殺した開発者のひろきくんが誰かと遊びたかったことが真の目的なのも切ない。
ノアズアークとひろきくんが憎しみに呑まれずいいやつでよかった。
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