風来坊

崖上のスパイの風来坊のレビュー・感想・評価

崖上のスパイ(2021年製作の映画)
4.0
1934年、満州に潜入して極秘作戦に挑む男女4人のスパイの運命を描く。中国製のサスペンス映画。

非常に硬派なスパイ物という印象。仲間の中に裏切り者がいるかも知れない、敵の中の内通者は誰かという緊張感が溢れる展開を丁寧な描写で描いています。

しかし…人物描写がめまぐるしく先が見えない展開で、兆候を見逃してしまいがちなので集中して観る事が必要。
美術など相変わらず細かいところも手を抜かない監督だなぁと関心しますね。
日本国の後ろ盾で表向きは豪華絢爛だったという満洲国の隆盛ぶりを感じられますね。

ただ…あの時代にあんなカッコいい革のコートとか手に入ったのかなぁと少し疑問。
女性スパイの1人を演じたリウ・ハオツンさんが可愛い。キャラクターとしてもまだスパイとして完全に染まっていないなりきれない感じがあどけさの残る顔立ちに合っていました。

ヴィジュアル面は原色好きな監督にしては赤色を封印して、全体的にシックに仕上げていた印象。派手さは無いですが使命に生きるそれぞれの立ち位置を情感たっぷりに描いていて、ヒリヒリとした緊張感はスゴく見応えのあるスパイ劇で感じる物があった作品でした。
風来坊

風来坊