オレンチ

悲哀の密林のオレンチのレビュー・感想・評価

悲哀の密林(2020年製作の映画)
3.0
自然と超自然が共存するネイチャーでトリップな密林ムービー。
なんのこっちゃと思った人も多いと思いますが、僕もなんのこっちゃと思ってます。
(多分)金持ちのジジイから結婚を逃れるため、なぜか密林に逃げ込んだ黒人女性を追った物語──。なんですが、ほぼ主人公は"密林"そのものと思って良いでしょう。
"密林は雄弁だ"とはよく言ったもので、人が喋るよりも密林の風景が雄弁に語っている様な気がします。
自然はまぁジャングルなんでそりゃそうでしょうが、問題は超自然について。
超自然とは言い換えれば神秘的な、霊的なという感じで人智を超えたもののことですね。
面白いのは本作の登場人物は劇中、超自然に触れることはあっても気づくことはほとんどないという点です。
むしろ鑑賞者が「なんか変…?」とほんのり感じる程度に演出されていて、これが先ほど言った"雄弁な密林"に繋がってきます。
要するにソファの上で密林と超自然を感じることのできるトリップムービーだったということですね。