yusukepacino

悦楽のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

悦楽(1965年製作の映画)
3.5
山田風太郎の原作というのが何か意外。それに挑む大島渚。
思いを寄せる女のために犯した罪。
突然男が訪れて大金を預けていった。金を預けた男と預けられた男、両者共に曰くのある共有財産のような秘密。小沢昭一の紳士のような言葉遣いで擦り寄ってくる不気味さ。脇坂(中村嘉葎雄)がまじで萬屋錦之介に見える。兄弟こんなに似てたのか。匠子(加賀まりこ)の幻影に溺れる男。次々彼女に似た女を月100万の金で囲い込むもやはり満たされないその気持ち。
もし自分が同じ状況に置かれたら秘密をバラされ捕まるのを覚悟で金を使うだろうか、約束を守って逮捕を免れるか、どちらに転んでも救われない正に身から出た錆のようだ。脇坂は果たして踊らされていたのか。相変わらずカメラワークが秀逸だった。
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