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悦楽のmingoのレビュー・感想・評価

悦楽(1965年製作の映画)
3.9
加賀まりこ当時弱冠22歳、すべての美を結集した魔女みたいな容姿凄い。愛らしく幼児性を剥き出しに、世の中の男を骨抜きにする。
難解な大島渚の中でも非常に観やすい。日本春歌考以前の傑作ではないだろうか。

加賀まりこを手に入れたい主人公の気持ちがのりうつり珍しく感情移入できる。
それはスクリーンになかなか出てこないから手に入らないという気持ちを感じさせるのもあるが、加賀まりこ以外の女性も綺麗で魅力的だが彼女には叶わないという見せ方に完全にトリコ。
欲望は満たされることなく行き場を失い暴走してしまう主人公同様、観るものを宙吊り状態にさせる。
黒沢清が大島渚を敬愛することがわかる一本でもあるように思う。

前年製作の篠田正浩の「乾いた花」と中平康の「月曜日のユカ」と合わせて加賀まりこ初期美貌作はおすすめしたい。
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