烏丸メヰ

ホラーマニアvs5人のシリアルキラーの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

3.2
ホラー雑誌の記者をしている青年ジョエルは、片想いの相手サラに告白できないどころか“サラのデート相手とこっそり接触しボロを出さないか会話を録音する”始末の弱気で陰湿の極み。
しかしひょんな事から居眠りをしてしまい、目覚めると、そこにいたのは殺人鬼……!?

クセ強殺人鬼達と、なかなかの直球ゴアが炸裂する陽気なスプラッタコメディ。
ホラーやスラッシャー映画好きなら常々考えているような“ホラー鑑賞者としての発想”のために時に命拾いし、時に裏目に出てしまう、といった要素が面白い。

「ホラーマニアを主人公にする」という作品はいくつもあるが、悪趣味な身内ネタに走ったりオタクをひたすら擁護し、オタクの自己肯定感上げ媚びみたいだった『モンスターフェスティバル』よりも、内向的な若者へのメッセージ性や、人として変わらなければならない心、成長などを描いており、さっぱりして好印象。

恋愛にも奥手どころか陰湿な、ネクラなスラッシャー映画マニアの青年が、片想いの女子を守るため、行動力に目覚めていく。
つまりジョエルによる「一人『千と千尋の神隠し』」です。
烏丸メヰ

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