スプラッターよりも笑えるシーンが多いB級ホラーコメディ。これもYouTubeの紹介。
オープニング、ほんの数分間のシークエンスに魅せられた。音楽が少しジョン・カーペンター風でワクワクが止まらない。
漢字が気になる怪しげな中華料理店でシリアルキラーたちが自助集会風に車座になり殺しの自慢話をし合うというシュールな場面に笑ってしまう。
そこにホラーマニアの主人公が意図せず紛れ込んでしまうのだが、まあこれが絵に描いたようなヘタレで、邦題からシリアルキラーたちを血祭りにあげるんだろうなぁ、という期待はあっさり打ち砕かれる。彼の着るTシャツに書かれている原題「Vicious Fun」は「悪趣味」といった感じ。
舞台が「中華料理店→警察署→病院」と移動するのだけれど、どこでも今ひとつ盛り上がりに欠ける。テンポが悪く、これは新手の寸止め⁈なのかと思うくらい。舞台となる80年代の雰囲気再現は良い感じなものだから余計にイライラする。
ただ、野球で例えるなら凡退続きというわけでもなく、シングルヒットな感じはあって、ちゃんと笑えて面白い。大量得点にこそならないけれどコツコツ点を積み上げる感じで、観終わると試合にはちゃんと勝利している、みたいな。
オープニングに呼応したほんの数分間のエピローグが良い感じで、続編があったらきっと観るだろうなぁという爽やかな後味が残った。
