The Son／息子のチスッッッのネタバレレビュー・内容・結末

自分も当事者家族（立場的にはセオ）なのですが、あの頃の家族風景を鏡に映されているようで観るのが苦しかった。

ヒュー・ジャックマンの最後のシーンも、当事者家族だからこそ、あーそうそうって共感しかなかった。こんなの、ほんと後から何とでも美化できるんですよ。あの子は繊細だった、〇〇の才能があったって。人によっては感動的に見えちゃうシーンだったかもしれないけど。

うちはこの作品で例えると病院から連れて帰らなかった方の家族だったんですが、両親は今でもそれを悔いてます。完全にこの作品と逆パターンですが、皮肉なことに結局彼らの末路は同じなのです。

この作品を見て何となく共通として感じたのは、本当に周囲の人間は彼だけのことを考えられていたか？ということ。自分の期待や理想を押し付けたり、自分の孤独の埋め合わせに彼を利用していなかったか？本当に彼とだけ向き合って対話したのか？それって家族の愛だけで乗り越えられるのか？

いくら自問自答しようが絶対に答えは見つからないけど、残された私たちは絶対に生き続けなければなりません。それが今、唯一彼と向き合える方法であり、唯一できる贖罪だからです。

今でも目を閉じるとあの光景が蘇ります。
もはやこれは呪いに近いです。
愛だけでは到底解決できない家族の因果関係、でも忘れてはならない絆。改めて色々と考えさせられました。