夕

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してるの夕のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

この再編集された劇場版ではアニメ版で到達した最終的なメッセージを、より射程を広げるためこれでもかってほどエモーションを上乗せして叩きつける
アニメの、特に後半におけるメタファーでメタファーを説明するような複雑な構造に阻まれて本来的なカタルシスや感動を受け取れなかった人たちにとってはこの映画のおかげでかなり激しい感動というか揺さぶりを味わうことができるんじゃないかと思う
ただ、ぼくにはたまたま下地的な予備知識と呼べるようなものがあったおかげでアニメ版の時点でその主題、メッセージ、登場人物のキズの形に思う存分思い馳せることができてたので、前編はまだしもこの後編の過度的に繰り返される言葉、フレーズのテンションに少しノリきれなかったところがあった、あくまで僕にとって
誰かを愛し愛されるということが″キミ″を何者かにする、というメッセージが作中のテロ組織KIGAの会(″飢餓″)による世界の見え方、その呪いへの処方箋として提出されている
ちょっと俯瞰してみると結局″愛は勝つ″ってことなの?とかって揶揄したくもなるかもやけど、そういう風にコンテクストだけで判断してしまいがちな人にこそこういう映画を見てほしい
ちゃんと質量のある愛をここでくらってみてください
夕