佐藤克巳

上海陸戦隊の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

上海陸戦隊(1939年製作の映画)
5.0
1937年支那事変の切っ掛けとなった第二次上海事件の海軍特別陸戦隊孤軍奮闘の死闘を、反日中国女役原節子の兄熊谷久虎監督が時系列的に描いたセミドキュメンタリー戦争映画の傑作で、以降東宝戦争シリーズの定型となった客観性の高い高密度の作品群の端緒となった。中隊長大日向傳率いる本部と前線基地ABC陣地が連携し、数十倍の近代兵力で租界を包囲する中国国民党軍との緊迫した攻防が、まるでリアルタイムであるかと錯覚するサスペンス性が素晴らしい。中国空軍無差別爆撃の惨禍市街戦で、玉砕を覚悟した中隊長は自ら突撃を敢行し倒れた。その後陸軍部隊上陸が知らされた。
佐藤克巳

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