Haruyuki

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のHaruyukiのレビュー・感想・評価

3.9
 「アイデンティティ」に関する文章を読んでたところで、これを観た。なんか、すべてがあって、これって結構シビアなメタファーなんじゃないかと思ってしまった。
 アイデンティティっていうのは、自己と他者の境界線上にあるんだそうで、集団のアイデンティティの場合も然り。マイノリティーに対する差別や、消し難い記憶による恨みやトラウマ、模倣と表現、等々さまざまな課題を考えさせられる。
 自虐ネタとして笑ってしまう数々のギャグの作られ方は、歴史上のもっともシリアスな悲劇を模してのものとみえた。
 そうした物語を語るための架空世界の作り方も、従来からある手法を組み合わせたものと思われるが、独創と言っていいレベルのすばらしさ。美しいクラシック音楽(BGM)の使われ方も、違和感なく最高。
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