ヒノモト

劇場版 がんばれ!TEAM NACSのヒノモトのレビュー・感想・評価

劇場版 がんばれ!TEAM NACS(2021年製作の映画)
4.4
WOWOWで全9回放送されたフェイクドキュメンタリードラマの劇場版。
割引なしの特別料金ではありましたが、劇場版にする意味があるかどうか確認するために興味本位で観に行きました。

観終わった後の率直な感想は?
現実ではあり得ないフィクションでありながらリアルとの端境スレスレで行き来する感覚があり
TEAM NACSの5人の円熟味のある掛け合いがいつまででも見てられるです。

正直TEAM NACSの舞台はWOWOWで放送された時に観るくらいで、あまり詳しい訳ではなく、北海道の関連番組は「水曜どうでしょう」くらいしか観たことのないレベルでした。

今作は、ファン向けの部分もありますが、決して内輪ウケだけに留まらず、TEAM NACSの活動を知らない方でも十分楽しめる間口の広い作品であると感じました。

それは5人それぞれのキャラクターの見せ方もあり、説明的にならずにそれぞれの個性を存分に引き出された設定になっている点にあります。

TEAM NACSが25周年なのも事実だし、作品に登場する人たちも本物でありながら、その脱力的な馬鹿馬鹿しさの連続につい笑いが漏れてしまいます。

当人の舞台挨拶を聞いたところ、展開の流れだけが決まっていて、その中のセリフが全部アドリブということで、そこに生まれる阿吽の呼吸とでも言いましょうか、ずっと観てられる心地よい空気感が漂ってました。

物語の進行に合わせてインタビューが差し込まれるタイミングも素晴らしく、フィクションと現実を行き来する感じがとても観やすいのが好印象。

トータル的に見た時に物語としての抑揚もしっかりとあって、仕組まれたドキュメンタリーだからこその計算された面白さとアドリブのリアリティが相まって、相乗効果的により良い形で面白さがまとまっていて、映画として広く見てもうらう価値のある作品だと感じました。

個人的には安田顕さんの変質ぶりが際立っていて特に好みでした。

大人の都合でカットされてる部分もあるので、WOWOW放送版もアーカイブで見直そうと思ってます。
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