IPPO

ある男のIPPOのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.1
劇場鑑賞を見逃したけど、出張先ホテルの部屋のテレビで無料配信されてたので観ました。期待よりもハラハラやどんでん返しは少なかったかな。

窪田正孝、安藤サクラ、妻夫木聡に加えて実は4人目として清野菜名の内面もリレーのように1人ずつ描かれていて演者の「きちんと映画作品としての演技」を味わえる作品でした。

ストーリーの根幹は「逃れられない出自」だが、作品を通して訴えているのは「人権擁護」という少し堅いテーマなんだなと理解。

「誰でも脛に傷を持ってるもんだろう」
この台詞こそこの世の分かりきったこと。なのに差別に値する部分を他者に見出した途端に線を引いてしまうもの。日本はメディアリテラシーと同時にもう少し人権に関わる教育に注力しないといけないかもね。学力より大事なことが身に付いていない人が減ることを願う。

作中何度も在日3世を揶揄し差別する場面があって、この2020年代においてちょっと感覚がずれてる気がして…。ストーリー上、在日差別が機能しているという表現が足りない気がしたな。原作を読んだら分かるのかもだけど。

ドラマ畑かと思っていた窪田正孝と清野菜名が映画俳優としてポテンシャルが高いことを確信出来る良い作品でした。

※すっきりしない点
大賀のあの役、彼のあの行動の理由と背景が全く明らかにならずもやもやどころか腹立たしい。彼は結局なんなん???
IPPO

IPPO