りほこ

ある男のりほこのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.8
あらすじ主は、夫が亡くなったことによって、「夫」ではなかったことに気がつき、判明する真実。仏壇の前で義理兄と言い合うシーンは唯一のクスッとポイント。まさかそのタイミングでそんな事が判明するなんて夢にも思わないからこそ、可笑しくなってしまう。
あらすじの脇を固めるのが、さらに根深い偏見等に関する事。主にも通じる「何者かになって、自分を書き換えないと生きる事が出来ない」という筋を持ってして、2つの家族が揺さぶられる。
こうした偏見や差別について、まさに大河ドラマでの北条政子(小池栄子さん)のセリフ、に尽きるなぁ。いつの時代にも、誰かを弱者や悪者にしないと一体感は生まれないからこうした偏見や差別は無くならないのかもしれないと憂いてしまうなぁ。
「わざと言ってるなら人が悪いし、わざとでないなら気遣いがなさすぎる」

安藤サクラさんは今年の日本アカデミー賞で2部門の受賞。元々暗い背景を持つ役柄もできる演技派ではあったけど、朝ドラまんぷくを経てから、より仕事の幅が広まっているように感じて、美しいだけじゃない、人間らしい魅力を魅せてくれる樹木希林さんのような女優さんになるんだろうなぁと期待。
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