ヨーテボリ映画祭にて。
恐ろしい話だった。尺2時間半超えだが無駄が全くなく、ずっと緊張感あり何が起こるのか気になって長さは気にならなかった。
1983年ポーランド、警察の暴行で高校生が死亡、事件の一部始終を目撃してしまった青年ユレクと亡くなったグジェゴシュとその周囲に降りかかる不条理。
タイトルにもなっている「痕跡を残すな」の言葉は何度か出てくる。
グジェゴシュの件についての話だがユレクが実質主役になっていく。
「COLD WAR あの歌2つの心」のトマシュ・コットがイヤな役で出ていた……
1981年~1983年のポーランド戒厳令下のワルシャワで起きた事件。
第二次大戦後のポーランド、共産主義への反対派とそれを攻撃する政府というざっくり知識ぐらいは入れておくといいかもしれない。
こんなピリピリした中で人々が生活しなきゃいけないのも結構神経すり減る。
たまたま友人とグジェゴシの大学合格祝いを兼ねてつるんで飲みにいこうとしていただけなのに。
彼や彼の母がどういう活動をしていたかはもはや後付けの理由にしかなってなくて、ポーランドのこの時代でこれは誰に起こってもおかしくない話じゃないか。
ポーランドって第二次大戦でナチスに苦しめられた後にこんな状況だったのかと。世界史の勉強でさらっと触れられた時代ではあったが、こうやって見せられるともうね……。
BBCが事件を嗅ぎ付けて突っ込まなかったらどうなってたんだろう?
最後の最後までどんよりするけど見応え大有り。
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