pepo

帰らない日曜日のpepoのネタバレレビュー・内容・結末

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

これほど美しい「作家誕生」のシーンは他にちょっと類をみないんじゃないかと思う。
他人の留守邸の書斎を裸で歩いていく孤児院出身のメイド。
本の背表紙を辿る白い指先、それを照らす淡い窓越しの光。
静謐で象徴的で啓示的だった。

原作未読なんだけど、ポールってどんな風に書かれてるんだろう...ジョシュ君なしであの人物にどうやってあの「彼女ビジョンに於いて持ち重りする感じ」と哀感を描出してるんだろう(客観的に行動だけなぞるとコノヤロってなるとこもあるんだけどジェーンが自身の人生を振り返った時に確かにターニングポイントになった、そして情熱の頂点で喪われた“ 追想の中の男 ” として完璧じゃなかったですかジョシュ君のあのゆっくり着衣シーン...)ドナルドの方は流石にもう少し現実寄りだった、だけど作品( = ジェーンの回想、という仕立て)の中で重きを置かれていたのはあの日曜日で、だからやっぱりラブストーリーというよりも主題は彼女自身の作家としての人生の「受精」の瞬間だったのかなぁ、と。
(余談だけど性行為周りの描写が思ってたより生々しくてちょっとびっくりした)

あーでももう原作読むの遅いかもしれないなぁ、脳内キャストが絶対映画の通りになってしまいそう。皆さん本当に素晴らしかったので...
とくにコリンファースとオリヴィアコールマンの役に対する解釈の深さがぐーっと作品を絶望の深部に繋いでて、だからこそジェーンが無一物から作家として立ち上がっていく強さや希望が引き立って風景の中の明るい日差しが目に残る。

観てよかったです。
ジョシュ君ありがとー(出演作じゃなかったら見送ってたかも💦)
オデッサ・ヤングとても美しかった
pepo

pepo