たむたむ

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのたむたむのレビュー・感想・評価

3.9
【これは真実の物語である】

モーガン・フリーマンが製作総指揮を務め、『インビクタス 負けざる者たち』のプロデューサー、ロリ・マクレアリーと組んだ意欲作。

午前5時22分ごろ、就寝中のチェンバレンが誤って医療用通報装置を作動させ、警察が安否確認のためアパートに到着後、ドアを隔てた内外を舞台とし、実際と同じ時間に沿ってリアルタイムに再現したワンシチュエーション社会派スリラー。

全編、手持ちカメラ撮影による圧倒的緊迫感と、フランキー・フェイソンの熱演が圧巻。
堂々めぐりのケネスと警官たち。元軍人のケネスは、言動を見る限りPTSDによる強迫性障害も伴っている印象。警察を信用しておらず意固地になり、決してドアを開けようとはしない。
余程ヒマなのか(苦笑)警察も相当シツコイ。黒人への偏見が、不信感へと変わっていく。次第に苛立ちを募らせ、ドアを叩き壊さん勢いで声を荒げる警官たち。
完全に近所迷惑です…( ・᷄ὢ・᷅ )
人道的な正しい意見や判断が、安易に潰されてしまう実情も本作では生々しく描かれています。

ただ、ライフガード側も融通が効かな過ぎ。。
あんな事態になって通話だけで済まそうとするなんておかしいし、どう考えても怠慢な気がする!

人種差別による、理不尽な固定観念が根源となった事件。ラストで映し出せるテロップも衝撃的。
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