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猫は逃げたのkassyのレビュー・感想・評価

猫は逃げた(2021年製作の映画)
3.3
監督:今泉力哉×脚本:城定秀夫 L/R15 プロジェクト

離婚寸前の夫婦は、愛猫カンタをどちらが連れて行くかが決まらず離婚を先延ばしにしている。
それぞれ浮気相手との関係がある中で、ある日カンタがいなくなってしまい・・

猫は鎹映画。
カンタの存在が夫婦を夫婦で繋ぎとめている。
浮気相手のストレートさが嵐を巻き起こし、終盤の4人での修羅場トークは面白いが、面白さはそこくらいで、あとはこれと言ってエッジさもキラッとしたやりとりもなく、イマイチ面白味がなくテンションが上がらない。

テーマとしては、アガペーとエロースの違いを描いた作品である。
浮気相手は結婚を追い揉めるが、主人公は浮気相手に対してあくまでエロースの愛でしかない。
猫は無償の愛を注ぐ存在であり、猫がいなくなったことで、猫に対して同等に愛を注げる存在が妻であり夫であることに2人は気づくことになる。

しかしながらそもそも猫が人間の都合で振り回されているのが、どうにも見ていて気持ちが良くない。
その癖最後は大団円みたいなのがなんだか腑に落ちない。
個人的にはあんなやつとは縁を切りたい。

とはいえ、カンタがとにかく可愛い、カンタ映画である。
『愛なのに』の方が評判がいいので、そちらを早く見たい。

オズワルド伊藤氏は胡散くさくてはまり役だった。
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