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オッペンハイマーのeriikoのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

大変迷ったけど、15年来のキリアン・マーフィーファンなのと、見ないで批判も出来ないと思ったので行ってきた。

監督の独占インタビューも徹底して中立的なスタンスを感じたけど、この映画も衝撃的な歴史の一部を作ってしまった男の話にしては、淡々としていた。
もう少し核に対する私的な意見を監督やキャスト達から聞きたかったが、皆あえて触れないことにしたのだろうか。

エミリーブラントがオスカーの場で"バーベンハイマー"と言っていたのはがっかりした。きっと実際の被害者のことは詳しく知らないのだと自分に言い聞かせようとしたが、キャストやクルーは広島長崎の被害者の写真を見て、核撲滅の署名をしたと知り、なおさらがっかりした。

"オッペンハイマーの葛藤を描きたかった"とはいえ、加害者側の葛藤など知るもんかとも思う。それは浮気相手が亡くなった後の妻の言葉と重なる。しかし、では日本は被害者なのかと言われたら、それもまた加害者でもあるので、描き方や監督キャストのスタンスは間違っていないのかも。

原爆の描写はまさに"ピカドン"。来るとわかっていてももの凄い衝撃音。被害者は一切見せないが、実際のダメージなんて見ずに喜んでいたことも史実に忠実なのだろう。

日本に原爆を落とすことを議論する"エリート"たち。まさに『ヒトラーのための虐殺会議』のようだった。そして"成功"を喜ぶ人たちの滑稽さ。戦時下では人はどこまで愚かになれるのか。それが世界中に伝わってくれたら、この映画に価値が生まれると思う。妻が最後に言った"あなたが罰を受けても彼らの怒りは収まらない"というような言葉も重い。

まさかのジョシュハートネットとデーンディハーンが嬉しすぎた!

ちょいちょいレビューでも見かけたけど、本当にフローレンスピュー裸になる意味あったんか…。
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