U子

オッペンハイマーのU子のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7
テネットがよくわからなかったし、
身構えて、登場人物相関図など予習して
鑑賞。
そのせいか、思ってたより難解さは感じず観ることができた。

うむ、しかし内容。
冒頭のリンゴのエピソード。
ちょっとおかしくなってたからでは
片付けられないよな。
その時は事なきを得たけれど、
原爆にはその想像力は及ばなかったのか。

オッペンハイマーが原爆を作らなくても、
いつか違う人が作ってたのかもしれない。
でもあのタイミングで、出来てしまった。
あんなギリギリで作ってたんか。
8/6、ニュースの音声で原爆が投下されたことがわかる。
歓喜に沸くアメリカ人。
わたしはちょっと涙が出てしまったわ。

ゼロに近い可能性だけど、
地球を破壊してたかもしれないと
認識して、実験。
そして、民間人に投下。

人間の想像力はいろんなものを作り出す無限の可能性があるけれど、
一方、その犠牲者を想像することができないぐらい弱くもなる。

たくさんの広島や長崎の作品や人々の話などを子供の頃から、みてきいてきたけれど、
「ひろしま」という実際に被爆した人も参加した戦後の映画があって、それはさらに胸が苦しくなるような作品だった。
想像してるよりずっと、わかったつもりなったよりずっと酷い現実があることをずっと
頭の片隅に入れておかないといけないと思った。

「オッペンハイマー」と「ひろしま」二本立てで観るのが良いと思う。

鑑賞後、なんか複雑な思いが湧いてきて仕方ない。キリアン・マーフィーは以前から好きなので、今回もやはり良かった。他の人ならもっとイライラしたかも。
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