りょう

四畳半タイムマシンブルースのりょうのレビュー・感想・評価

4.2
 2005年の「サマータイムマシン・ブルース」も2010年の「四畳半神話大系」も観ていませんが、なんの先入観もないからか、純粋にめちゃくちゃ面白かったです。
 やっぱり日本人は幼少期に「ドラえもん」を経験しているので、妙にタイムマシンに馴染みがあって、こういうタイムパラドックスをテーマにした物語も抵抗なく理解できるところがいいです。
 とても文学的な主人公のナレーションが心地いいし、ものすごく洗練されたアニメーションが新鮮です。黒がアクセントになった色彩も印象的でした。
 昨日と今日をくり返し往来する物語なので、登場人物がどの時間軸でしゃべっているのか混乱しそうになりますが、さりげなく説明してくれる脚色が丁寧なので、簡単に理解できます。終盤で主人公が“昨日”から生還するくだりがアナログすぎて笑えました。
 なんとなく時代設定が曖昧でした。登場人物の日常生活(アパート・エアコン・銭湯など)は昭和な雰囲気ですが、映画サークルではノートパソコンで映像を編集しているし、誰も電話を使用しません。舞台が京都ということもあって、かなり独特な世界観になっています。
 ちなみに、原作戯曲の「サマータイムマシン・ブルース」って、The WhoやT.Rexのカバーが有名な“Summertime Blues”とは関係ないのでしょうか。それとも渡辺美里さんの“サマータイム ブルース”が元ネタでしょうか。
りょう

りょう