HiromiA

蝶採りのHiromiAのレビュー・感想・評価

蝶採り(1992年製作の映画)
3.4
 「オタール・イオセリアーニ映画祭~ジョージア、そしてパリ~@チネ・ラヴィータ」で鑑賞。
 「月曜日に乾杯」以前のイオセリアーニ作品は見た記憶がなかった。この「蝶採り」も初見でした。やっぱり世の中お金なんでしょうかねえ。それまで顔を見せなかった親族が集まるのは葬儀と遺産相続のためなのか。公証人はなぜこの城を売れると踏んだのだろう。エレーヌはおっとりした老婦人だけどその娘はかなりきびきびしていた。ロシアでの生活があるからなのか相続した城をいとも簡単に手放してしまう。そして90年代には日本の印象というのはこんなものだったんでしょうね。そこから考えると日本人は金に飽かしていろいろ買い漁っていた時代よりだいぶ成熟した印象を持っていただけるようになったんでしょうか。でも他の売り出し中の城ではなくなぜこの城でなければならないとあの日本人は考えたんだろう。ジョージア(当時はグルジアって言ってたけど)を出てフランスへやってきたイオセリアーニがちょっと気負ったのかもしれません。21世紀の作品に比べてエスプリというより俯瞰的体制批判みたいな映画になっていたような気がしました。ところで蝶採りはどこに出てきたんだろう。あるいはなんかの比喩なのかなあ。
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