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BLUE GIANTのsoopenのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.5
熱い。火傷しそうな程熱い熱気は、原作そのものでした。
ストーリーは完璧なFilmarksの説明があるので省きますが、原作を読んで、Filmarksの説明を読んで知っていても、何度も感動で涙をこぼす程、素晴らしい映画です。
映像は今だからこそ使える3DCGI
なんですね。技術力は高いし、上原ひろみさんらの演奏が、主人公達の演奏に合わせて進化していく過程が、とてもエモい。

キャストもどんな逆境も逆境と思わない、常に前向きで明るい主人公のテナーサックス奏者、宮本大と、子供の頃からピアノを弾いてきた自信家の沢辺雪祈、大の同郷の親友で、大に感化されてドラムを始める玉田俊二、という全く技術力の違う、人間同士がセッションで、互いに切磋琢磨していく様子が、とても生き生きと描かれていて、18歳の今この時しかない青春を、爆発寸前になっている彼らを優しく見守り、スタジオとして場所を提供してくれるJAZZバーのママや、厳しいダメ出しをしてくれるSo Blue のスタッフ、色々な人々に支えられて、彼らはついに憧れのステージに立つ。

最高潮に気分が上がっている所でのまさかの展開がありながらも、宮本大は挫けない。どんな時でもやれることはあるんだ、俺は演奏しなきゃならないんだ!その熱意が無謀な演奏に火をつける。世界を目指す、ではなく世界でトップに立つんだ!という彼の気概があるからには、日本で挫けてなんていられない。迷うことはない。観客に伝えるんだ、この熱い想いを…

JAZZはポップスやロックのバンドとは違い、仲間を変えていくもの。基本は個人。セッション相手を変えることによって、音が変化する、新たなものを生み出す、それが楽しい、そう解釈しました。だからこそ尚更、メンバーに頼るのではなく、個人がしっかりしていないとダメなんだなと。誰にも引けを劣らない自分を常に研鑽し、セッションしたい相手を見つけたら全身でぶつかっていく、それはまるで戦いを挑む戦士のように…
別れはいつかはやってくる、寂しさはあるけれど、また成長した自分が新たな仲間とどんな音を創り上げるのか、それも楽しい。
宮本大の旅はヨーロッパへ。

次作ヨーロッパ編、楽しみに待ってます!
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